商社マンのアメリカ駐在生活と就職活動について語るブログ

アメリカに赴任中の20代独身総合商社マンです。現地での仕事や生活、就職活動等について自由に書いていきたいと思います。

「メモの魔力」から見えた就職活動、キャリアにおけるヒントについて

今日は久しぶりに就活関連のテーマいきます。

既にTwitter界隈でも抜群の話題性を誇っている「メモの魔力」(著:前田裕二氏)Kindle配信日に早速読んでみました(クリぼっち万歳)。

 

結論から言うとミーハー心抜きにしてもかなりの良書という感想

本書では外資系証券会社を経てSHOWROOM株式会社を起業した前田氏が、自身の仕事や就職活動時代等で大切にしてきたメモ術を紹介、メモを取ることによるメリットや身につくスキルなどについて紹介しています。

具体的な中身は本書を参考にして頂きたいですが、その中で何度もキャッチマークされていたのが"物事の抽象化"というフレーズ。

この抽象化という行為によって物事や自分自身の本質が見えてくるというもの。

私自身この点は大いに共感しており、というのも僭越ながら個人的な体験とリンクしてると感じたからです。

私は就職活動の大失敗(NNTで路頭に迷った状態)を経験しており、そこから休学してインドに渡航、翌年の就活で現在働く第一志望の商社含む複数社の内定という経緯があります。

kojiousa.hatenablog.com

では大失敗した1年目と成功に終わった2年目の就活では何が違ったか、TOEIC900点を取得したなど客観的なスペックを高めた点はもちろんですが、一番大きかったのは今までの自分なりのコアを明瞭に見つけるまで自己分析を重ねたことと思っています。

そして、コアを見つける上で"自分の人生を棚卸し、抽象化する"ことが有効でした。

そんなこともあり就活に成功するためのエッセンスがかなり濃密に凝縮された内容と思ったので、本書で特に気になった点やまたそれをどのように就職活動やキャリアに活かしていけるのかについてレビューさせてもらいます。

 

物事の"抽象化"は自己分析における最高のツールである

まずはこの本の最大のキーワードでもある"抽象化"についてメリットや大事だなと思ったことを挙げます。

その前に抽象化の定義について確認しておきましょう。

抽象化・・・思考における手法のひとつで、対象から注目すべき要素を重点的に抜き出して他は無視する方法である。(Wikipediaより)

要は物事の重要だと思われる側面を切り取る行為のことですね。

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①自分の軸(コア)が見つかる

ここが一番大きく大事な点。

抽象化とは、端的に言うと、「具体的な事象の本質を考える」ことです。 (第2章 5項より)

自己分析をする時に過去の自分の人生を振り返ると思いますが、この時「スポーツの全国大会に出た」、「文化祭の実行委員会として盛り上げた」など具体的事象で止まってしまったら深い分析にはならず、すなわち自分の本質は見つかりません。

自己分析の目的は「自分がどういう人間で、どのような時にモチベーションを発揮するのか」という自分の本質的な性質を明確にするためにあります。

過去自分が頑張ってきた活動(具体的な事象)を振り返り、なぜ頑張れたか?理由まで深ぼる(抽象化する)べきなのです。

私の例

具体的エピソード:小学校の野球チームで最初は市内最弱チームだったのが週末の怒涛の長時間練習(一日約8時間)の末市内大会で優勝したことが大きな喜びだった

抽象化:すでに強い組織に所属するより、コツコツ努力することで弱い組織を大きく成長させる過程にモチベーションを感じる

②自分の人生を"点"ではなく"線"で分析できる

自分の人生を縦軸で見るのではなく、横軸で見る。なるべく「幅」で捉える。そこから自分の価値観や何を幸福と思うかが見えてくることもあります。(第4章11項より)

多くの就活生は学生時代に頑張ったエピソードで大学時代の話をするでしょう。

それ自体は間違ってないのですが高校時代やそれ以前のことも深く分析している人はあまり多くないのではないかと思います。

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エンゼルバンク第7巻第4章より(著:三田紀房氏)

しかし人のパーソナリティは大学時代ではなく、むしろ小学校や中高時代に大半が形成されていることが多いのではないでしょうか。

受験や部活動などこれまでの人生でいくつかあったターニングポイントでどのような選択、活動をしてきたかも重要なエピソードになり得ますし、むしろそこが起点となって大学時代の活動にも繋がっていることもあると思いますので大局的な分析が大切。

そしてそれらに共通項を見出すために抽象化が有効なのです。

私の例:大学時代のサッカーサークルでは、歴史のある強豪ではなく創部間もない学内戦の優勝経験もないチームを選んだが、その選択も小学校時代に得た伸びしろのある組織の成長にモチベーションを感じる点が影響した。

 

③汎用性が高い

抽象化の最たるパワーこれです。つまり、他の具体に落とせる、ということ。「思考を深める=抽象化」すると、再現性、汎用性が生まれるのです。(第2章 5項より)

 ①で自分のコア、モチベーションを探るために抽象化が重要と書きましたが、それを起点にそのモチベーションを再現できそうな会社を選び、アピールしていくのが就職活動です。

例えば部活動のキャプテンとしていろいろな要望を持ったチームメイトを纏めて成果を得た経験を持つ人の場合、その成果自体は会社で再現できませんが"様々な意見を一つにまとめて組織として機能させるという汎用的な力”については会社で再現できます。

このように自分の体験や長所を抽象的に切り取ることで、異なる環境でもその力を応用できることを大いにアピールできるのです。

"抽象化”して編み出した自己分析を基にどう面接に臨むべきか

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それでは次に自分なりの軸がクリアになった上でそれをどのようにアピールすべきか、実際の選考時の注意点などについて書いていきます。

①志望動機はコアに結びつけ自分のフィールドに持ち込め!

まず志望動機の作り方ですが、基本的には以下のようなフローになるかと。

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最初に結論=志望する会社で実現したいことを持ってきて、そのあとに自分がそう思うようになった背景、経験を補足していくという形です。

そして面接においてはこの願望が生まれた背景の深さ=志望動機の強さとなり高く評価されます。

それについて面接官に説明する時前章①で述べた、具体的事象、体験で止まってしまうことは非常にもったいない。

 

例えば途上国でインターンやボランティアを経験し、新興国の発展に貢献したいと考えている学生がいたとします。

しかし、単にその経験だけを説明するだけでは不十分、そのような学生は他にもたくさんいるので差別化できません。

もう一段階踏み込んで、そもそもなぜその経験をしたいと思ったのか?自分のどのような性質(コア)からそう考えるようになったのか?幼少期からさかのぼり分析し、説明できるようになれば独自性や説得力も増すでしょう。

独自性が強まればその他大勢の学生と差別化もでき面接官もより興味を持って話を聞いてくれます。要は自分のフィールドに持ち込むのです。

社会人になり面接をする機会があったのですが、面接官の立場からもオリジナリティのない学生は記憶に残らず上に通しずらいのでぜひこの点意識してみてほしいです。

②"抽象化"は複数内定を得るという視点でも有効

志望動機の第三ステップ、自分のコアをベースになぜその会社で働きたいかを説明する必要があります。

ここをうまくリンクできなければ「うちの会社じゃなくてよそに行ってしまうだろう」と面接官に思われ落選してしまう。

採用側からしても内定辞退やミスマッチが怖いので。

しかし逆に言うと自分のコアになる価値観と会社を結び付けることが出来るなら如何なる業界にも通用するともいえます。

そしてここで抽象化の最たるパワー、汎用性が活きてくるのです。

具体例として以前書いた記事の中でも紹介した私の戦法を紹介します。

 

以下過去記事引用

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”志望動機を作るコツとして、「自分のコアとなる価値観を汎用的に用いる」というテクニックを紹介したいと思います。

私の場合、元々小さなものを大きく成長させること、伸びしろのあるものにモチベーションを感る人間だったので

伸びしろの在る新興国を対象に働きたい→商社、メーカー

技術革新が頻繁で、伸びしろの在る業界に行きたい→IT

というように使い分けていました。"

 

kojiousa.hatenablog.com

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これは少しテクニック的要素が強いですが、実際就活生にとっては複数内定を得てその中から自分のコアにもっとも沿った会社を選ぶことが望ましいと考えるので是非使ってみてください。

③内定を得るにはロジックと感性の両輪で面接官を唸らせろ

本編第2章8項"右脳だけでは人を動かせない"というパートの前田氏の投資銀行時代の話で機関投資家への営業時に、人を動かすには直感でいいなと思わせるだけでなくそれを根拠づける説明付け(ロジック)も不可欠とありました。

就活生も同じで面接官にこいついいなと思わせること(人間的に好かれること)、かつ志望理由のロジックを固めないと内定は勝ち取れません。

一次、二次では客観的なスペックが高ければ通りやすいですが、面接のステージが進むにつれコア、オリジナリティの深さがより問われます。

ロジック、人間性、パッション、といった要素をハイレベルでアピールして初めて内定が得られる、そんなハードルが高い状況だけに緊張するのが普通ですが、最終面接という大舞台では100%迷いなく語れる自分のコアを見つけている人が強いです。

 

社会人として"転用"の壁にぶち当たった時にどうするべきか

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ここまで自己分析における「具体的事象(ファクト)→抽象化」の有用性と面接への紐づけの説明してきました。

しかし本書にもある通り次のステップである、「アクションへの"転用"」を行わなければ意味がありません。

内定はゴールではなくスタートとはよく言いますが抽象化して得た明瞭な自己分析を基に志望企業に入社してもそれはあくまでもゴールではなくスタート、実際に働くなかでアクションしきってゴール(目標)が達成される訳ですよね。

しかし、実際に入社しても希望通りの部署に配属されなかった、部署は希望通りだったがやってる仕事内容は思い描いていたものと程遠い・・・などの悩みを抱えてくる人もたくさん出てくると思います。

しかしここでも物事の"抽象化"というのが武器になると思っています。

例えば「世界を舞台に自分で商流を切り開いていきたい!」と目を輝かせて入社したものの最初の配属が与信・リスク管理系の部署だった新入商社マンがいるとしましょう。(私の話ではありません笑)

この時「この場所では自分の野望は果たせないし、モチベーションも出ないなー」となあなあに仕事していたら実にもったいない。

取引先の与信チェックは新規で商売を始めるにあたっての基本→ノウハウを盗んで将来自分が商売する時に役立てるぞ!と意識するだけで成長スピードがぐんと変わりますし元々描いていた目標へも近づきます。

逆に言うと、今自分がやっている仕事を抽象的に分析して将来の自分の目標にリンクする要素が見つからなければ環境を変えた方がいいかもしれません。

最後に

さて「メモの魔力」本書を参考に考えた就活生や社会人が意識すべきことについて述べてきました。

改めて自分の軸を見つけたい就活生だけでなく、キャリアについて考えたい社会人にとっても指針を示してくれる良書だと思います。(前田氏のように自己分析ノート30冊作るというのはさすがにハードルが高すぎると思いますが笑)

 しかし、同時に思うのは局は自分の頭で考え、行動しないと何も始まらないということです。

本書にもありましたが、本を読んだり人の話を参考にするのも大事ですが一番大切なのはそこからどう実際にアクションを変えるかだなと。

逆に言うとしっかり分析した上でアクションを取れば結果が変わってくるだろうと(少なくとも就活については必ず成果が出ると思っています)。

その点意識して行動していきましょう(自戒を込めて)。

長くなりましたがお付き合い頂きありがとうございました。

 

コジオ